今年は6月 の「大阪北部地震」、7月 の「西日本豪雨 」、9月は「台風21号」、「北海道胆振東部地震 」と災害が続きました。
被害にあわれたみなさまに、心からお見舞いを申し上げます。
さて、9月も残すところあと1週間。
夏休み明けのお子さんのようすはいかがでしょうか。
そして、そのお子さんを支えるご家族のみなさまもお疲れ様です。
平成28年度のいじめの件数は、323,143件と文科省の調査で発表されています。
他人事ではない数です。
ですから、もしも、子どもが「学校に行きたくない」と示した場合に、
うちの子いじめられているのかも!!!と自動的に心配になってしまうこともあるだろうと思います。
けれど、実は不登校はいじめのせいだけではないのです。
どうぞ焦らずに。
驚いて、いろいろ聞きだそうとする前に、お茶を一杯飲んでみて下さい。
子どもは理由を説明できないことも、実際は多いです。
どうしたら良いかはケースバイケースです。
ご家族で途方に暮れてしまったときには、学校の先生、スクールカウンセラーや、
教育相談の先生に話をしてみるのも良いだろうと思います。
もちろん、当オフィスでもお待ちしております。
私は、大人になった不登校経験の方々のお話を聞くことがありますが、
本当に多くの方から、
「長期休み明けがつらい」
「1学期から夏休み明けが心配だった」
という話を聞いています。
これはきっと不登校あるあるなのでしょう。
もう学生生活が過去のことになった方がたから話を聞くと(百回以上は別の方から聞いたと思います)、
「学期中、学校に行っている間は気を張り詰めている。長期休みになると、その反動でだらけてしまう。そうなると、生活リズムがめちゃくちゃになって、新学期になっても学校に思うように行けないし、気が重い。生活リズムが戻るまで、学校が始まって1か月くらいは余裕でかかる」
「新学期になると、時間割が変わったりもする。それに慣れるのに、時間がかかるし、負担が強い」
などの理由があるそうです。
このつらさは、わからない人にはまるでピンとこなそうなことにも、難しさがありそうです。
じゃあ、休みに入ってもリズムを崩さなければ良いのでは?と思ってしまうのですが、学期中は多かれ少なかれ、自分にムチ打って頑張っているわけですから、休みとなれば自分の意思をは関係なく力が抜けてしまうようでした。
それができれば困ってないよ、というところでしょう。
もちろん、いじめや、例えば先生とうまくいっていない、などのことには重篤な問題になる前に、気づいてあげられたほうがよいでしょう。
学校の行き渋りはSOSの一つかもしれません。
しかし、上記のような場合も少なくありません。
それに、いじめにせよ、リズムの立て直しの大変さの問題にせよ、
まわりが鬼気迫ってしまえば、適切な対応は難しいでしょう。
子どもを受け止める空白部分を気持ちに持てるように、どうぞ焦らずに対応して下さい。後者の場合は、1~2か月すれば落ち着いてきます。
初日に行かなければどうにもならない学校はきっとないでしょう。
2日目からの出席は、むしろ視線が気になってしまうと子どもが訴えることもあるかもしれませんが、そのときには何か作戦を一緒に練ってあげてると良いかもしれません。
「風邪ひいちゃってさー」って一番に言えば大丈夫だよ、などなど。その子どもが「できそう!」と思えるものを。
周囲はそれほど初日にいないことを気にはしていないだろうことを、わかりやすく教えてあげること、
視線が気になったりしてつらくなれば帰ってきていいよと保障してあげることなども、
子どもの助けになるかもしれません。
また、不登校の理由に、
発達障がいのお子さんが持つ「感覚の過敏さ」があることもあります。
発達障がいは、その特徴・症状の出方は人それぞれですので、すべての子どもに当てはまるわけではありませんが。
感覚が鋭過ぎて教室にいられないこともあるようです。
この教室は大丈夫だけど、
あっち教室は壁紙の接着剤の匂いで気分が悪くなり、眩暈がするので入れない。
そんな方もいらっしゃいます。
小さなお子さんの場合、感覚的なことをうまく言葉で説明できないことも多いです。
また、発達障がいの方は、発達障がいを持っていない方々がどのようにそれを感じているかを知ることはできませんから「みんなも辛いけど、我慢しているんだ」「こんなことで辛い自分はだめだ」などと思って、一人で抱え込み、ある日突然にドロップアウトしてしまうこともあります。
過敏さがない人たちは何にも感じない教室でも、
・この教室は、音が反響してうるさくて耳が痛いから入れない。
・窓際の席になってしまい、目に光が当たって痛いのでいられない。
・ここの教室だと、どうしての視界の先に、苦手なマークが目に入ってしまうから苦痛でいられない。
例えば、このようなこともあります。
こういった場合に大切なことは。
発達障がいを持たれている方の一部は、その特徴から、つらさを表情に出すことが苦手な場合があります。
ですから一見、大丈夫そうに見えるのです。
大丈夫そう=平気ではないこと。それを知っておくこと。
顔をしかめる、などささいな変化に気が付くこと。
「もしかしたら~なのかな?」と想像すること。
もしも、本人が「実は~で。でもみんなは平気そうなんだけど……」と話して来たら、咄嗟に「大丈夫大丈夫。みんな平気なんでしょ」と言わないでくださいね。
みんなは確かに平気なので、子どもはそれ以上訴えられなくなります。
いつかの研修で、ある発達障がいの方にとって、日向にいることは、【目に剣山を刺され続けるような痛みである】と習いました。
針で刺されるような痛みを、ただ日向にいるだけで感じている可能性もあるのです。
それだけの感覚の違いがある可能性があることを、
頭に入れておくと、対応しやすいかもしれません。
もしも、発達障がいの感覚過敏が原因で、学校に行きづらくなった場合には、
学校に「合理的配慮」をお願いしてみて下さい。
公立か私立かなどで、少し対応は違うかもしれません。
けれど、例えば、上の例で光が痛いのであれば、
・廊下側の席に移してもらう
・カーテンやブラインドを下げてもらう
・(場合によっては)サングラスの使用を許可してもらう
・目が痛くてつらいときには、5分だけ机に伏せて休んで良いことにしてもらう
などの合理的な配慮が受けられると思います。