本当は絵本の読み聞かせをしたくない親のみなさんへ(ヒント1)

少し前に、

たとえばこんな相談を(絵本の読み聞かせと苦痛篇)
というブログを書きました。

絵本の読み聞かせは苦手、だけど、読み聞かせをしない自分にも耐えられない、
そんな思いもあるかもしれない……

このブログでは、少しでも読み聞かせが気楽になるようなヒントを書きたいと思います。

 

基本的には、心の負担になるのならばわざわざ「読み聞かせ」をする必要はないと思います(他の方法を一緒に見つけましょう)。例えば、お子さんの言葉数が少ない場合に友だち等から「読み聞かせしなよ~」などと言われる場合も「そうだね~」とスルーで良いでしょう。その友だちは、読み聞かせがそれほど心の負担でないタイプの人なのです。

まず、最初のヒント・注意点は、

すべての子どもが絵本が好きなわけではないことを頭にいれておくことです。

後々好きになるとしても、現段階では興味を持っていない子もいます。

お子さんが絵本に興味を持っていない場合、読み聞かせは保育のプロであっても難しいものです。

お子さんが小さければ、少し圧をかけて言うことをきかせることはできますが、それでは「読み聞かせ」の効果は期待できません。
そういった場合には、お子さんが自然に絵本に興味を持つのを、もう少し待ってみても良いでしょう。

読み聞かせは、子どもの成長のために必須のものではないからです。+αです。

子どもが自発的に興味を持てたタイミングで絵本に触れられるように、手の届くところに置いておくことは良いことと思います。もし興味を持ってきたら、ここぞとばかりに読み聞かせはせず、しばらくは自由にめくったり、眺めたりするのを楽しんでもらうと良いです。

逆から読んでも、さかさにして読んでもOKです。(破ったり、溶けるほど舐めたり、食べたり、踏んづけて転んだりしないようにだけ、気をつけてあげて下さい。破ったりしたときも、特に1~2歳の小さな子どもは、まだ「本」というものが良く分かっていませんから、言い聞かせたり叱ったりする必要はありません。遊びながら、めくり方(めくる感触の楽しさ)などを教えてあげて下さい。大人が思い描く「本」の扱い方はできなくて当然です。例えばですが、どうしても本を乱暴に扱われることが生理的に受け付けない場合は、壊れにくい布の絵本や、お風呂用の防水加工されており頑丈な絵本を選ぶことも一つです。しかけ絵本は対象年齢をよく確認して、壊れてなんぼくらいの気持ちで購入して下さい~。)

楽しいこと=絵本=安心なもの、となると良いですね。

それから3つのヒントを書いていきます。

(ヒント1)発達段階にあった本を選ぶ

(ヒント2)読み聞かせについての思い込みを壊す

・子どもは、絵本が読み終わるまで膝の上で大人しく聞く
・最初から最後まで聞くもの(一旦読み始めたら、責任を持って最後まで)
・1ページ目から順番に読むもの
・ページは飛ばさないもの
・面白いページだけ見るのは邪道

(ヒント3)The読み聞かせのような、抑揚のある読み方をする必要はない。そこはプロにお任せ。

・平坦でも、早口でも、小声でも、大丈夫。
・子どもにとっては、自分の求めに応じて大人に読んでもらった体験が一番大切。
・「○○みたいに読んで~」と言われても「はいはい」でOK。

このブログでは、ヒント1について説明します。

発達段階にあった本を選ぶ

私が保育園など、小さな子どものいる施設でアルバイトをしていたとき、
読み聞かせが「苦手」な、新米保育士さんやボランティアさんにはある特徴がありました。

子どもの意志を大切にしてあげたい想いがあるが故に『子どもが選んできた本をそのまま読んであげようとする』ということです。

子どもたちは、1歳や2歳の子どもであっても例えば、「アンパンマン」などのアニメの絵柄が大好きです。
本来は幼児以降を対象としたアニメの絵本を「読んで~」と持ってきます。
しかし、アニメ画の絵本というのは、意外とストーリー性が高かったり、意外とコマ割りが複雑だったり、意外と文字が多かったりして、小さな子どもには内容が理解できません。
そのため、一生懸命、新米保育士さんたちが読んでくれているのにも関わらず、子どもたちは飽きてどこかに行ってしまったり、絵本を勝手にめくったりし出します(気に入ったページやキャラクターが見たいだけだったりします)。

読んであげているのに、聞いてくれない……、新米保育士さんでなくても、誰でも絵本を読むことが辛くなってしまいますね。

子どもが読んで欲しがってるからと言って、それがその子どもにとってベストな本とは限りません。
発達段階に合ってなければ、内容を楽しむことは難しいのです。

その子どもの発達の段階に合った絵本を選んであげると、大人が読めば聞いてくれることは多いです。

絵本=物語 ではありません。

絵本を買うときには、まず対象年齢を見て下さい。
お父さん、お母さん、ご家族の思い出の絵本、
どうしても読ませたい絵本があっても、対象年齢と合うまでは取っておきましょう。

読み聞かせにあまり興味のないお子さんの場合は、まずは、実際の年齢よりも対象年齢が低めのものを選んであげても良いかもしれません。

大人でも、例えば文系なのに、興味があまり持てない大学の数学の講義を突然受けさせられたらつまらなくて寝てしまいますよね。
スマホで動画を見始めるかもしれません。

子どももそれは同じです。

子どもも「わかる!」「できる!」と思えるものでないと、積極的にはなれませんし、楽しむことは困難です。

それは、いくら数学の教授や大人にとっては面白いものだとしてもです。

これは、子どもたちに大人気の絵本です。
2歳以降が対象になっています(ネット調べですが)。

文字は、果物の名前と、「さあ、どうぞ」くらいです。
最初はこの文字量で充分です。

桃太郎のようなストーリーはまだ先のお話。1ページ5文字くらいから始めましょう。

子どもが理解するのは難しい絵本を読んで欲しがるときの対応のコツ

(中堅~ベテラン保育士さんの対応から)

・甘えたい気持ちで絵本を持ってきている場合には、大人が独占できれば子どもは大満足なので、子どもを膝に乗せて、省エネで読む(小声、早口、適当に)。絵本を上手に読むことよりも、甘えを満たしてあげることを大事にする。

・子どもが聞いていられる間は、読んであげ、聞いていられなくなったら深追いしない(最後まで聞かせることに拘らない)

・お話を全部読んでもまだ理解はできないので、子どもの理解度に合わせて要約する。(ストーリーがあっても「アンパンマンいるね~」「みんなで遊んでるね~」「バイキンマン来たね~」など、簡略化する。そちらの方が子どもも楽しめる)

・「アンパンマンどこだ~」「いたね~」など、指さしゲームのようにしてしまう。

・気に入っているページ見たさに、本を持ってきてる場合は、そのページを劇的に開くことに終始する。

などなど…… また、

・そもそも発達段階に合わない絵本はしまっておく。

というのもあります。

また、内容の理解はまだ難しいが、最初のページから最後のページまでめくって「おしまい」と本を閉じることを子どもが執拗に求める場合に、私がやっていたのは、

・子どもの気がそれた瞬間に、2~3ページをまとめてめくって早送りする。

という方法です。
きりが良いところで、ページ数が少ない絵本と交換したりもしました……

その子の場合は、本を一通り読むことよりも、ページが最後に近づいて「おーしーまい」と何度もやることが望みだからです。

ストーリーの理解が難しい段階にいる小さなお子さんの場合には、大人がストーリーを飛ばすズルをしても気にしません(子どもがそれに気づいて「ちゃんと読んで」と訴えるまでは大丈夫です。気にしていません)。

それよりも、子ども自身が大切にしていることが達成されるかが大切です。
子どもが絵本や読み聞かせに何を求めているかを明確にして、手を抜けるところは抜いていきましょう。

どうせエネルギーを使うならば、読んであげる、ということよりも、読み聞かせという行為を通して子どもが満たされることを大切にされるのはどうでしょうか。

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