思春期の不登校と親の話し

思春期の子どもたちの不登校について。臨床心理士の立場から思うことを書こうと思います。

こちらの記事にも、現代の不登校の難しさについて書いています。

まずは、私が以前、家族療法などにお詳しい精神科医の先生から教えてもらったことを書きたいと思います。少しだけ、アレンジしていますが。

 

思春期のお子さんが学校に行けなくなったとき、

また、お部屋やお家で一日のほとんどの時間を過ごす様になったとき、

ご家族の「母性」と「父性」両方がとても大切になります。

母、父、と文字のごとくというよりも「女性性」「男性性」。

「受け入れる力」と「押し出す力」という意味で、大切です。

 

まず、学校に行けなくなった時には、

(それが外から見たら決して理解や同意ができないものであっても)まずは、受け入れる・受け止める、「あなたはそれでいい」「そのままのあなたを受け入れます」「休んでいいよ」というような深く受け入れる「母性」が大切になってきます。

(とてもそうとは見えないとしても)大人になろうと自分なりにもがいている子どもが、安心してさなぎになり、繭に包まれて変化していけるように。

包み込んでいくことが大切になります。

 

けれど、ずっと大人が「受け入れる」「そのままでいなさい」という姿勢でいると、子どもは蝶になって外に飛び出すタイミングを失ってしまうことがあります。

たっぷり休んだと子どもが思える状態、

そろそろ休んでいることが物足りなくなってきた状態になれば、

今度は千尋の谷に落とすような「とにかく外に出て行きなさい」という「強い父性」が大切になってきます。

子どもはまだ未熟なところがありますから、すべてのタイミングを自分で計ることは難しいこともあります。ですから大人が良いタイミングで背中を押してあげられると良いですね。

 

難しいのは、タイミングです。

まだ繭の中で変化している途中なのに、無理やり外に出してしまえば、さなぎはどうなってしまうでしょうか。

繭のなかで「もう私はオッケーだよ」というサインが出てから、背中を押してあげて下さい。そのサインも、タイミングも、その子その子で違ってきます。「新学期」「進学」のタイミングなどに合わせるのが楽だろう、と大人は思いますし、実際に行けてしまえばそうである可能性も高いですが、社会的なタイミングよりも「子どものタイミング」が大切です。

その二つができるだけ、重なり合うように、支援者としては支えていきたいとは思いますが……

親はどうしても「親心」というものがあります。

想いがあるからこそ、母性や父性を冷静に用いれないことも多いでしょう。

そういうときは、ぜひ、カウンセリングを受けてみて来て下さい。

当オフィスでなくても構いません。

今、タイミングはどうなのか、どうしていくと繭の中の変化をサポートできるのか、臨床心理士や専門職がお子さんについての理解をお手伝いします。

 

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